タニシの貝殻が溶けるのは?
我が家ではヒメタニシを飼っています。うまく越冬した、あるいは購入、購入はビオトープの春の水替え、植え替えシーズンに行うことでしょう。そして春には沢山いたヒメタニシたちは夏にかけて繁殖により、稚貝を産んでいきます。稚貝はコケを食べて、どんどん大きくなっていきます。

しかしながら、ヒメタニシは右肩上がりで増えていくわけではありません。秋にかけて徐々に数を減らしていきます。これには大きく分けて2つの理由があります。1つ目は餓死です。タニシは大食漢であり、個体数が増えた為に、コケが生えるより早く、食べつくしてしまいます。2つ目は貝殻が溶けてしまい死んでしまう現象です。これは水が酸性化したことにより、貝殻が溶けてしまい、しまいには死んでしまうのです。

ヒメタニシ。オオタニシ、マルタニシに比べて育てやすい種です。
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何故、タニシは貝殻が溶けて死んでしまうのか?
一般的にタニシの貝殻が溶けるのは水質が酸性に傾いているからです。では水質が酸性になる原因はなにかといいますと、排泄物や食べ残しなどの有機物が分解され、硝酸塩が底に溜まります。タニシの殻は炭酸カルシウムでできていまして、酸性に傾いた水質ではミネラルが溶けてしまいます。従いまして、タニシが新しく作る貝殻の速さよりも、溶ける速さの方が速いとタニシは死んでしまうということになります。さらにカルシウムが不足しますと、タニシ同士で殻をなめ合って、カルシウムを補給しようとするそうですので殻の厚さが薄くなって弱ってしまいます。そうして弱ってくると、他の魚やエビにつつかれたり食べられたりして、タニシの中身は空っぽになり死んでしまいます。

溶けてしまう貝殻への対応方法は以下の3つです。
タニシの貝殻が溶けてしまう、あるいは白くなった場合の対処です。このようなタニシの状態になってしまった場合の処置です。

  ・水槽の水を全取り換え(新しい水はカルキ抜きして投入)
  ・カルシウム補給のために、タマゴの殻を餌として与えて再生
  ・牡蠣殻を入れて酸性に傾いた水質を中和させる

タマゴや牡蠣の投入、水替えにはリスクがあります。
タマゴや牡蠣などの投入は、水がアルカリ性になったり、水替えによる水質変化で、タニシだけならまだしも、メダカやミナミヌマエビなど混泳をさせている他の生体に影響を与えてしまうので、シーズン途中での環境変更はリスクがあることを認識しておきましょう。

  ・水質を変わり、他の生き物が影響を受けて弱ってしまう、死んでしまう
  ・雑菌が繁殖することで、他の生き物が影響を受けて弱ってしまう、死んでしまう

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私のタニシの飼育失敗談
最初、私は幼少期の経験だけで、日のあたる場所に置いて、コケを生やしてタニシを入れておけば、勝手に増えていくだろうと、たかをくくっておりました。これから話をさせていただきます、タニシが生きていく環境を全く整えておりませんでした。しかしながら、購入当初は稚貝を産んで増えていたタニシは、徐々に減っていきました。この稚貝もおそらくショップにいた時に交尾をしていたことで産まれていたんだと思います。購入した親貝も産まれた稚貝も先っぽがどんどん白くなって、ある日貝殻の中身が空っぽになって死んでいるのを発見します。「あれ?タニシ最近見ないな~」と思った時はもう遅いんです。翌年春を迎えるころには僅かな生き残りしかおりませんので、毎年買い足しているというのが現状でした。


タニシの貝殻が溶けない為の予防
タニシの貝殻が溶けないような、白くならないような予防は何かないのでしょうか?結論から言うと、100パーセントの予防はないものの、ある程度は防げる方法はあると思います。

その① 底床に用土を入れる(できれば荒木田土)
底床に用土を入れます。これには賛否両論があると思います。

何故、用土を入れるのか?
何故、ビオトープを立ち上げる時に用土を入れるのでしょうか?大体が下記の3つに当てはまるかなと思います。

  ・自然な雰囲気に近づけたい。
  ・水質浄化(=ろ過)されるから。
  ・水生植物を植えるため。

用土を入れてもいいが、自然には遠く及ばない。
上記3つの理由で用土を入れてもいいと思います。しかしながら、限られた容器という空間の中で自然の環境を再現するのは難しいのです。特に水質浄化(=ろ過)を期待している場合は、期待通りには働いてくれません。

水質浄化(=ろ過)には『物理ろ過』『生物ろ過』の2種類があります。

物理ろ過とは屋内であれば、ろ過材を利用してエサの食べ残しや生体の糞、死骸など目に見えるレベルの大きなゴミを取り除く機能です。屋外になるとそれを底床の用土に期待するわけですから、自然の広大な土地と比べての、ろ過機能は天と地ほどの差があります。

生物ろ過とは生物(バクテリア微生物)によって水を浄化する機能です。
物理ろ過ではろ過できない物質や小さなゴミをバクテリアの力で分解して、生体に悪影響のない物質や水草の栄養になる物質(アンモニア→硝酸塩→亜硝酸)に変えていくものです。

どちらも全く機能しないことはないと思いますが、物理ろ過は上記で述べたとおりに限定されたビオトープで機能することは、かなり難しいです。よって生物ろ過の機能に頼ることになりますが、生物でろ過できることも限定されておりますので、少しずつ水質は悪化していくのです。

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絶妙なバランスで、何とか1年程度持たせているだけ。
生物ろ過でも、ろ過して、物質を分解して、水質浄化をしていくことはかなり限定的です。何故、綺麗な水が保てるのでしょうか。それは、他にも水草、ホテイ草などの浮遊性植物やマツモ、アナカリスなどの沈水性植物、ナガバオモダカなどの抽水植物などの水草が富栄養化した水を吸収してくれ、タニシなどが、水槽内に増えた植物プランクトンを食べる濾過摂食、生物の排泄物や餌の食べ残しなど食べるのデトリタス食、藻類を食べたりしてくれ、ミナミヌマエビは雑食性なので、藻類の他にも、死骸やエサの残りを食べてくれます。このような、絶妙な小さな生態系で、何とか水質を保ってくれているのです。また、人間が行う『足し水』も水質を保つ1つの要素になっていると思います。

しかしながら、このように何とか水質を保っていても、せいぜい1年が限界です。1年を通して、分解されないゴミやエサの残りは、どんどん蓄積していき、生体の有害な物質が増えていきます。水が徐々に富栄養化していき、コケなどの藻類が覆っていきます。特に水草が枯れる、活性が落ちるなどした冬場に確実に藻で覆われていきます。色々なプログにも春の水替えの記事が折っておりますが、綺麗なビオトープを見たことがありません。

それでも用土を入れる!でも+αがいる。
それでも用土を入れるのは、この用土がヒメタニシの死亡率を大きく下げてくれるからです。用土を入れることにより、バクテリアが繁殖して用土にコケなどの藻類が生えてくるのです。これにより餓死を免れることができ、用土に棲むつくバクテリアにより有害な物質を分解してくれるので、少しだけ酸性を防いでくれます。

それでも酸性は完全に防げないので、足し水が必要となります。足し水は水道水を使用されると思いますが、弱アルカリなので定期的に水換えしていれば、酸性になるのを防いでくれます。

その② 直射日光を当てる!
田んぼではタニシは日光に当てられています。それでも元気ですよね。よって直射日光そのものは問題ないのです。ただし、タニシは高水温が苦手です。田んぼで何故生きられるかと言うと田んぼは常に用水路から水を掛け流されて水温が一定なのです。

小さなビオトープの容器ではそうはいきません。1日中直射日光があたっている場所では高水温でタニシは死んでしまいます。オススメするのは1日数時間だけ日光が当たる程度の環境です。タニシを元気にするのではなく、餌であるコケなどの藻類を生やさせるために日光を当てると言うことです。タニシがコケを沢山食べて、タニシの殻を形成している炭酸カルシウムを補給して殻の強度を強くしていきます。また日光を吸収することにより殻を形成していきます。人間の骨の形成と似ていますね。

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その③ 飢餓を防ぐ(藻 or グリーンウォーター+人工飼料プレコ)
タニシは大食漢です。タニシの死の多くは餓死です。水替えなどによるようるもの、繁殖し個体数が増えたことによりエサの取り合い(=生存競争)によるコケなどの藻類の不足で餓死します。これを回避するには、グリーンウォーター、植物プランクトンが増えた状態でタニシを投入して、「濾過摂食」で触手やエラなどで漉し取る(ろ過する)ようにしてエサを取ってもらう。タニシはデトリタス食と言って水底に溜まった微生物や微生物の死骸を食べたり、グレイザーと言って石や壁面のコケなどを食べることもできます。

それでも春の水替え当初や繁殖で個体数が増えた場合は、人工飼料で補う手もあります。我が家で使用しているのはプレコというエサです。他サイトで紹介されていたので、藁にも縋る思いで使用してみたのですが、プレコを置いた場所にいつも間にかタニシたちが集まってくるのです。他にもエサを与えましたが、タニシが食べるのはこのプレコだけです。


繁殖して増えたヒメタニシたち。
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タニシの棲息環境をどれだけ再現できるか?
結局のところ、メダカが泳いでいて、エビが棲息して、用土が豊富にあり、水草が繁茂している場所。タニシが棲息している『田んぼ』に近い環境にするのが、タニシの生存率を高めて、繁殖できる環境であると思います。



※最後に
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