梅雨のこの時期は、日照時間がとても少ないのですが、水生植物たちは元気にやがて来る夏に向けて大きくなっていきます。新しい芽を出して、葉を拡げて、花を咲かして、実を付ける、またランナーで勢力を拡大していきます。メダカやエビ、タニシたちは、発生した微生物、プランクトンや藻類などを食べて大きくなっていき、やがて産卵して子孫を増やしていきます。その元になっているのが『用土』であり、水生植物の栄養を補ってくれて、水棲生物のエサである微生物の住処にもなるのです。

しかしながら、メダカだけを飼育するのであれば用土を入れなくても大丈夫であります。いわゆる『ベアタンク』飼育です。用土を入れていると底に溜まったエサの残りなどのゴミや糞尿などの汚れによりろ過バクテリアがまだ多くないうちは水質に変調をきたしてメダカが死んでしまうこともありますし、用土自体にたっぷり栄養を含んでいることにより、水質が富栄養化してしまうこともあります。

ベアタンク飼育ですと底が汚れているのがわかりやすい為に掃除しやすく、掃除をすることで水質の汚染源となるアンモニアの発生を抑えることができます。ベアタンク飼育の方が管理し易いこともあり、採用されている方も多いです。ただベアタンク飼育であれば、底床に棲むろ過バクテリアが少ないのでグリーンウォーター化することが多いです。よって、グリーンウォーター化を避けたい場合、水質浄化をする為にエアレーションやろ過機などを入れている方もおられます。


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話を戻しますと、容器に用土を入れる場合は、やはり水生植物を育てるなどで入れる場合が多いです。それでも植木鉢に用土を入れて水生植物を植えて植木鉢ごと容器に沈めます。底床に用土を入れる理由は何でしょうか。用土の中に棲んでいるバクテリアが水質を浄化してくれるからでしょうか。これは間違いではありませんが、自然の大地のように何層の土壌によるフィルターのような機能で雨など含まれている塵やゴミを濾すような作用はありません。実際には用土に棲んでいるろ過バクテリアや、水生植物による栄養の吸収、タニシなどの水棲生物による、ろ過によって絶妙なバランスで水質を維持しており、小さな容器で生態系を保ち続けているのです。

水生植物は肥料の三要素(ひりょうのさんようそ)である植物栄養素としての窒素、リン酸、カリウムの中にうち、窒素・リンの除去を行ってくれます。また植物が繁茂することにより、日光を遮り、藻類、植物プランクトンの発生を抑え、アオコの発生を防ぐこともあります。

タニシの能力には濾過摂食(フィルター・フィーディング)という特殊な摂食能力があります。触手やエラなどで漉し取る(ろ過する)ようにしてエサを取ります。一般の淡水貝はデトリタス食(水底に溜まった微生物や微生物の死骸を食べること)やグレイザー(石や壁面のコケなどを食べること)という食事の仕方ですが、タニシには濾過摂食もあるので、水質浄化に一役買っているのです。

とくかく低床に用土を使用するしないは賛否両論ありますし、どちらが正しいということはないのですが、それでも低床に用土を入れた方がいいと思っております。繰り返しになりますが用土にはろ過バクテリアが棲みついてくれて、ろ過の一端を担ってくれますし、微生物自体が、メダカやエビ、タニシなどのエサにもなります。低床の用土には植木鉢に植えていた水生植物が繁茂して、底床まで勢力を伸ばして繁茂します。そこにエビは住処にして繁殖していき、底床に生えた水生植物にが稚エビなどの隠れ家にもなります。冬にはタニシが潜って冬眠する場所にもなります。飼育する時に何をどのような環境で飼うかを決めて用土を入れる入れないを判断すればいいと思います。

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さて、その用土は何を使用すればいいでしょうか。

園芸用の土として有名な赤玉土は、どうでしょうか。赤玉土は関東平野をおおっている火山灰が降り積もった火山灰層で普通赤土と呼ばれている赤土を乾燥させて作ったもので、粒が大粒、中粒、小粒にわかれています。保水性や保肥性(肥料成分を保持する)に優れている土でして、ガーデニングで植物を植える為に腐葉土を混ぜ合わせて使用しますし、そのまま使用することもできます。またコオロギや鈴虫、カメ(陸)の飼育でも使用でき、とても幅広い使い方ができます。ビオトープの水生植物を植える場合は、そのまま低床として使用することができますし、荒木田土を低床に使用した場合、細かい泥のような土のため、ドジョウなどがいた場合は舞い上がって水がずっと濁ったままといった状態になりますが、その上に赤玉土を使用すると、土の舞い上がりを抑えることができます。赤玉土自体は栄養がありませんので、植物を元気に育てたいのであれば、単体での使用は控えた方がよく、逆に生命力が強すぎて繁茂するような植物であれば、赤玉土でもよいと思います。



次に水生植物専用土はどうでしょうか。水生植物専用土は、その名の通りに水生植物のために配合された土でして、用土によって違いますが、粘土質の用土を乾燥・粉砕したものをベースに元肥を加えてあります。また用土が粒状で扱いやすく、水がにごりにくくなる工夫がされているのが特徴です。ハス専用やスイレン専用など特定の植物専用がありますが、汎用的に使用できる用土もあります。栄養が豊富ですので、アオコやコケなど、植物プランクトンが発生し易く、グリーンウォーター化する場合もあります。





荒木田土はどうでしょうか。荒木田土は田んぼの耕土下や河川敷などの下層でみられる粘土質の土でして、田んぼに使用されている土でして、単に田土とも呼ばれております。荒木田土はメダカやヌマエビ、タニシを飼育するのに人気の土です。荒木田土には微生物や、時には水生植物のタネなども混じっており、微生物な勿論、ホウネンエビが産まれたり、雑草も生えてくることがあります。田んぼで使用されている土ですので、メダカやヌマエビ、タニシなどの相性は抜群でして、メダカやヌマエビは荒木田土に棲んでいる微生物を食べたり、タニシはデトリタス食(水底に溜まった微生物や微生物の死骸を食べること)で餓死する確率が少なくなります。

荒木田土は栄養が豊富ですので、栄養を吸収してくれる水草がないと、あっという間にグリーンウォーター化してしまいます。また土が舞い上がりやすいので、水が常に濁った状態になりますので観賞用には不向きです。吸収してくれる水草を必ず入れてください。また舞い上がり防止に赤玉土などを荒木田土に被せて敷くことで防止はできます。

荒木田土は田んぼの土ですので、繰り返しになりますが、微生物を発生させ、メダカやヌマエビ、タニシなどが微生物を食べて生活できますので、とても棲みやすい、繁殖し易いという効果がある土だと思います。タニシは冬には潜って春がくるのを待ち続けますし、水中を漂う浮遊性の水草のマツモやアナカリスも根を下ろしてくれます。栄養が豊富過ぎるぐらいな性質と鑑賞に適さない所はありますが、おすすめしたい用土であります。



荒木田土を使用したイネの栽培です。
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アメリカカブトエビが棲んでおります。
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黒メダカの容器です。底床は荒木田土に赤玉土を被せています。
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※最後に
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