※2023.11.13更新(ヤゴを追加)
※2023.11.15更新(ヒラタビルを追加)


熱帯魚水槽を見ていた或る日のこと。

最初は「水槽に、ゴミが舞ってる?これは掃除しないと。」と思いましたが、よくよく見ますと「白い虫」が蠢いているように見えました。

「白い虫」を調べてみますとミズミミズであることが判りました。

ミズミミズ自体は益虫でして、エサの残りや排泄物、水草の枯れ葉、死骸などを分解してくれる生き物で魚などの他の生き物に害はないのですが、如何せん繁殖力が強く、大量発生してウネウネ動いているのが水槽内で目立ってしまい、駆除される対象になってしまっています。

それよりも水槽で発生した「白い虫」を見つけますと、UMA(未確認生物※)を見るような目で見てしまい、得体の知れない生き物に対して『何て虫だろう?』『害はあるのか?』『どうなって駆除しよう』といった感情が湧き、せっせと情報を調べると思います。

※目撃例や伝聞による情報はあるが、実在が確認されていない生物のことである。日本ではUMA (ユーマ, Unidentified Mysterious Animal)とも呼ばれるが、これは日本人による造語。英語ではCryptid (クリプティッド)と呼ばれている。

水槽内に発生した「白い虫」は何もミズミミズだけではありません。いろいろな虫がおりますし、姿や形、そしてもちろん生態も違います。

そんな「白い虫」たちに関する情報をまとめてみました。


ミズミミズ
一般的に体がきわめて小さく、体長0.4ミリメートル、太さ0.1ミリメートルの種もいます。ミズミミズの多くは淡水産ですが、汽水あるいは海水中に生息するものもいます。遊泳能力をもつものが多く、また、針状の長い剛毛をもっています。無性繁殖をするのが特徴です。

◆基本情報
名称   : ミズミミズ
最大全長 : 0.4mm~1mm
棲息環境 : 淡水だが、汽水と海水種もあり
寿命   : 1ヶ月程度
水温   : 6~30℃
繁殖   : 卵生(1度に数百個)
成体まで : 3日
棲息場所 : 水底を好む(何か物に付着して生活)
餌    : 死骸、エサの残り、排泄物などの有機物
被害   : なし(大量発生時は景観が悪くなる程度)
原因   : 水質が悪化している(有機物が多い、エサの残り、排泄物)
駆除   : 飼育水交換、生体(メダカ、グッピーなど)駆除
長期的視野: 生物ろ過の安定、生体の数、エサの量を少なく
ミズミミズ

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プラナリア
淡水、海水および湿気の高い陸上に生息しています。水質が綺麗な場所で生息しており、水質汚染があると溶けて消えてしまいます。

雑食性ですが、主食として魚・肉・昆虫(動物質系の物)などが挙げられます。

オスとメスの区別がない雌雄同体であり、原始的な生物であるに関わらず脳をもっており、いちじるしい再生能力を有するという珍しい特性から よく研究対象としてもちいられています。

プラナリアの再生能力は著しく、前後に3つに切れば、頭部からは腹部以降が、尾部側からは頭部が、中央の断片からは前部の切り口から頭部、後部の切り口から尾部が再生されます。

ある学者がメスを使い100を超える断片になるまで滅多切りにしたが、その全片が再生して100を超えるプラナリアが再生したという逸話があるぐらいです。

◆基本情報
名称   : プラナリア
最大全長 : 0.5mm~2cm
棲息環境 : 淡水および海水
寿命   : 事実上ない(分裂していく為)
水温   : 6~30℃
繁殖   : 分裂・再生による無性生殖と、
       精子や卵子を交配する有性生殖の2つの生殖様式
成体まで : 1~2週間
棲息場所 : 川の上流や水田などの水質の綺麗な場所(石の裏など)
餌    : メダカや金魚などの人工飼料
       ※自然界では小さな昆虫や魚の死骸を食べている
被害   : 雑食性でメダカの卵など小さいものは食べられる
原因   : 水草についてくる(水質がいい証拠)
駆除   : 取り除く、駆除剤(プラナリアzero)、生体(チェリーバルブ)
長期的視野: 取り除いた後は追加で水草購入時に気を付ける
プラナリア

プラナリアは駆除したい人もいれば、飼育したい人もいます。プラナリアを購入する人は、ほとんどアクアリストではなく生物の実験の材料として飼育の用途が多いようです。

それは何といってもプラナリアの驚異的な生命力が魅力で、分裂・再生の過程を研究や実験する方が多いということです。

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カラゴザラガイ
淡水産の巻貝としては比較的珍しい笠貝型で、主に河川や用水路にあるワンドの水草や石の裏などに生息している。殻はかなりもろく、割れやすい。

繁殖力が非常に高く、一度水槽内に持ち込んでしまうとなかなか駆除するのが難しいスネールの一種です。

◆基本情報
名称   : カワコザラガイ
最大全長 : 3mm
棲息環境 : 淡水
寿命   : 1年程度
水温   : 18~30℃
繁殖   : 卵生(1度に数百個)
成体まで : 11日
棲息場所 : 河川や用水路にあるワンドの水草や石の裏
餌    : 死骸、エサの残り、排泄物などの有機物
被害   : なし(大量発生時は景観が悪くなる程度)
原因   : 水質が悪化している(有機物が多い、エサの残り、排泄物)
駆除   : 飼育水交換、生体(チェリーバルブ、キラースネールなど)駆除(根本的解決には至らず)
長期的視野: 生物ろ過の安定、生体の数、エサの量を少なく
カワコザラガイ

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ミジンコ
ミジンコ(微塵子、水蚤)は、水中でプランクトンとして生活する微小な甲殻類で動物プランクトンに分類されます。

ミジンコはメスだけで作る単為生殖で、環境条件(エサや日照時間の変化、水温)が悪くなるとオスが生まれ受精卵を作ります。

環境条件がいい時は自分と同じクローンであるメスだけの遺伝子を持ったミジンコを作り、環境が悪化して生存危機に直面したときにオスを生んで、そのオスと交配し受精卵が産み出されます(孵化する個体は全てメスです)。

卵はt耐久卵で、乾燥にも低温にも強く、カブトエビやホウネンエビなどと同じように、田んぼなどの一時水域となる環境でも生きていくことができます。

◆基本情報
名称   : ミジンコ
最大全長 : 1.5mm~2mm
棲息環境 : 淡水
寿命   : 18日程度
水温   : 15~28℃
繁殖   : 単為生殖(1個体)産卵(1度に5~8個)
成体まで : 1~2週間
棲息場所 : どこにでもいる(浅い水域にて生活)
餌    : 植物プランクトンや原生動物(※)、バクテリアなどの微生物
       ※たった一つの細胞でできている動物
被害   : なし
原因   : 購入した水草や生体に付着(水質悪化ではない)
駆除   : 飼育水交換、生体(メダカ、グッピーなど)駆除
長期的視野: 駆除と同様
ミジンコ

ミジンコには3つの種類があります。
 ・マルミジンコ(草食)・・・一般的にいわれるミジンコです
 ・ケンミジンコ(肉食)・・・頭部がとがった形をしています
 ・カイミジンコ(肉食)・・・丸くて貝がらのような形です

ミジンコは成体でも2mm程度のサイズですからとても小さく栄養価が高いのです。メダカのエサとして最適な為に購入して繁殖させてメダカのエサにしている飼育者が多いです。



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ミズムシ(ミズゲジ)
体長が8mmほどの甲殻類です。この仲間では海岸で見られるフナムシや陸生種のオカダンゴムシがおなじみかと思います。田んぼや溝、池沼などの落ち葉や石の下などで生活している。湧き水のような場所かた汚染のすすんだ場所でも幅広い水質で生活できます。

◆基本情報
名称   : ミズムシ(ミズゲジ)
最大全長 : 8mm
棲息環境 : 淡水
寿命   : 1~2ヶ月程度
水温   : 10~30℃
繁殖   : 卵生(50個程度)
成体まで : 1週間
棲息場所 : 水底を好む(何か物に付着して生活)
餌    : コケ、枯れ葉、死骸、エサの残り、排泄物などの有機物
被害   : なし(大量発生時は景観が悪くなる程度)
原因   : 購入した水草や生体に付着(水質悪化ではない)
駆除   : 飼育水交換、生体(シグリット、グラミーなど)駆除
長期的視野: 生物ろ過の安定、生体の数、エサの量を少なく
ミズゲジ

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ヒドラ
クラゲ、イソギンチャク、サンゴ類などの仲間です。池や田んぼなどの止水にある落ち葉や水草、石などに付着するが移動もします。

淡水産で群体を作らず、浅い池の水草の上などに生息しています。体は細い棒状で、一方の端は細くなって小さい足盤があり、石や水草に付着します。他方の端には口があり、その周囲は狭い円錐形の口盤となり、その周囲から6 - 8本程度の長い触手が生えています。

触手はその数倍に伸びますが、刺激を受けると小さく縮みます。触手には刺胞という毒針を持ち、ミジンコなどが触手に触れると麻痺させて食べてしまいます。

◆基本情報
名称   : ヒドラ
最大全長 : 1cm
棲息環境 : 淡水
寿命   : 事実上ない(再生していく為)
水温   : 20~30℃
繁殖   : 無性生殖では親の体から子供が出芽(条件がよい場合)
       有性生殖では体の側面に卵巣と精巣を生じ受精
成体まで : 期間不明
棲息場所 : 水底を好む(何か物に付着して生活)
餌    : ミジンコなどの小動物、メダカなどの稚魚、稚エビ
被害   : メダカ飼育時は稚魚が捕食される
原因   : 水質が悪化している(有機物が多い、エサの残り、排泄物)
駆除   : 飼育水を0.5%の塩水、珊瑚砂などをいれる(硬度に弱い)
長期的視野: 駆除と同様
ヒドラ

名前はギリシャ神話に登場する9つの頭を持つ怪物「ヒュドラ」から付けられました。「ヒュドラ」は1つの頭を切り落とすと、そこから2つの頭が生えてくるという怪物で、ヒドラの再生能力の高さが「ヒュドラ」を思わせる為です。
ヒドラ(創造)

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ヨコエビ
名称に「エビ」とありますが十脚目(エビ目)ではありません。体長は種により異なり、数mmから十数cmに及びますが、多くは数mm程度しかなく、1cmを超える種は限られています。

◆基本情報
名称   : ヨコエビ
最大全長 : 5mm~1cm
棲息環境 : 淡水だが、汽水と海水種もあり
寿命   : 1年
水温   : 16~30℃
繁殖   : 卵生(数不明)
成体まで : 1ヶ月半
棲息場所 : 水底を好む(何か物に付着して生活)
餌    : 死骸、エサの残り、排泄物などの有機物
被害   : なし
原因   : 購入した水草や生体に付着(水質悪化ではない)
駆除   : 駆除しなくていい(生体(メダカや金魚)のエサになる)
長期的視野: なし
ヨコエビ(ALL)

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ヤゴ【2023.11.13】追加
ヤゴとは、トンボの幼虫のことです。トンボは日本では世界では5,000種類、日本では200種類おります。その分、ヤゴも大きさや形も違います。有名なところでは、オニヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、アキアカネ、イトトンボなんかではないでしょうか。大体、メダカのビオトープで被害にあうのは、シオカラトンボ、そしてギンヤンマ(ヤンマ系といいます)のヤゴになります。特にヤンマ系のヤゴは一番メダカのとって危険な生き物で放置していると、

◆基本情報
名称   : ヤゴ
最大全長 : オニヤンマ45mm
       ギンヤンマ50mm
       シオカラトンボ25mm
棲息環境 : 淡水
寿命   : オニヤンマ成虫1~2ヶ月/幼虫4~5年
       ギンヤンマ成虫1~2ヶ月/幼虫8ヶ月
       シオカラトンボ成虫1ヶ月/幼虫8ヶ月
水温   : 0~30℃
繁殖   : 卵生(種類によるが1000~2000個程度)
成体まで : 寿命参照
棲息場所 : 水底を好む(泥や水草、落ち葉に隠れて生活)
餌    : ボウフラ、ミジンコ、イトミミズ、小魚(メダカ、オタマジャクシなど)
被害   : メダカ飼育時は稚魚が捕食される
原因   : 購入した水草や生体に付着(水質悪化ではない)
駆除   : 飼育水交換、ピンセットで取り除く
長期的視野: なし
ギンヤンマヤゴ

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ヒラタビル【2023.11.15】追加
ヒル類は大型動物の血を吸うもの(人からは60種類の内3種類)がよく知られていますが、それ以外の生活をするものがいます。ヒラタビルは後者ですが、ヒラタビルは巻貝を食べるヒルであり、侵入を許すと飼育しているタニシやカワニナなど(特にカワニナが好物)が食べられてしまいます。なお、メダカには害はありません。

◆基本情報
名称   : ヒラタビル
最大全長 : 20mm
棲息環境 : 淡水
寿命   : 2年
水温   : 0~30℃
繁殖   : 卵生(抱卵で10個程度)
成体まで : 6ヶ月
棲息場所 : 水底を好む(泥や水草、落ち葉に隠れて生活)
餌    : カワニナなどの巻貝
被害   : なし
原因   : 購入した水草や生体に付着(水質悪化ではない)
駆除   : 飼育水交換、ピンセットで取り除く
長期的視野: なし
ヒラタビル

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※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。