※2023.07.30改題(旧題:カブトムシの喧嘩について(オス同士・メス同士・オスメス)殺しのライセンスあり)

カブトムシの羽化により成虫がマットから出てきて、2~3日もしますと、カブトムシたちを単独で飼っていない限り、カブトムシの喧嘩が絶えず起こり、夜には「ガサガサ、ガザガサ」と激しくぶつかり合う音が聞こえてきます。

カブトムシは、生き残る為に必死なんでしょうけども、この音を聞くと「あぁ、今年も暑い夏の季節がきたなぁ。」と思いますし、また来年もしっかり育てて、この音を聞かねば!(自分自身の健康もこめて)と決意を新たにします。

カブトムシは、野生の本能だから仕方ありませんが、まずは食欲旺盛(食べる)ですよね。エサであるゼリーのカップを置けばすぐに近寄ってきて、カップのゼリーがなくなるまで食べるのです。人間で言えば、出された食事は全部平らげるようなものです。

次に繁殖ですよね。もうメスを見れば見境なくといいますか、子孫を残さないといけませんので交尾をします。メスが嫌がって逃げてもオスは背中に乗って何とか交尾をやり遂げようとします。マットにメスが潜って逃げているのにオスはマットに埋まりながらという・・・光景もよく見ます。これが人間だったら、無法地帯で恐ろしいですね。

そして喧嘩です。エサのゼリーを巡っての縄張り争いに、メスを取り合っての戦いがありますので、常に喧嘩しているといってもいいですね。野生であれば、蜜の出ている樹木は大きいですし、蜜も流れていますので、そうそう出くわすこともないですし、すぐに逃げられるのですが、飼育ケースは逃げる場所も狭い範囲ですので、常に喧嘩しているイメージがつきまとい、ちょっと可哀そうではあります。

これらはカブトムシのオス同士だけではありません。カブトムシの喧嘩を見ていますと基本的にはオス同士の喧嘩なのですが、オスとメス、メス同士の喧嘩もあるのです。

◆オス同士の喧嘩
当たり前ですが、大きくて強いオスが勝ち、小さくて弱い方のカブトムシのオスが負けます。俊敏さも必要です。2匹以上いれば確実に喧嘩は始まります。飼育ケースが広くの狭くも関係なく、エサの場所が一か所でも複数個所でも関係ありません。出会ってしまえば喧嘩が始まります。
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カブトムシのオス同士は、どちらが逃げ出すか、死んでしまうかの勝負がつくまで喧嘩を続けます。特に中胸(ちゅうきょう)あたりを角で突かれてしまいますと絶命してしまいます。

オス同士の喧嘩の原因はエサ場の縄張り争いとメスを巡っての争いです。ただしエサのゼリーを置く前(エサのない状態)であれば喧嘩はしません。これがひとたびエサのゼリーを置きますと、エサ場の縄張り争いで喧嘩が始まるのです。

カブトムシのオスの喧嘩は勝っても負けても消耗は激しいですし、羽に穴や傷ができますので、徐々に元気がなくなっていきます。長く楽しみたい場合はオス1匹で飼育したほうがいいです。メスを入れますと交尾をし続けて生命期間を全うしてしまいますので、本当に単独で飼育したほうがいいです。
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ただし、複数匹がいる時に比べて動きは極端に悪くなります。生きているのか?ぐらいにピタッと動きを止めています。ホームセンターやペットショップで1匹で売られているのを見たことがあると思いますが、動いていないと思います。やはり争う対象がいないと、人間のようにアドレナリンが出ずに元気じゃないのかもしれません。

◆オスとメスの喧嘩
オスとメスの喧嘩もあります。これはエサ場の縄張り争いです。オオクワガタなどのように相性が悪くて殺(あや)めてしまうということは、カブトムシではありません。カブトムシのオスはメスなら何でもいいんです。

ただし、エサ場の縄張り争いで、オスが先にゼリーを食べていて、メスが後からゼリーを食べにくると、オスはメスを敵だと見なして喧嘩といいますか、エサ場からの追い出しにかかることがあります。そして運悪く中胸(ちゅうきょう)を角で突かれてしまいますと絶命してしまいます。

メスは角がありませんので、頭を突いて相手を追い出そうとします。オスの角の下に入って突いてひっくり返すのです。オスが死んでしまうことはありませんが、メスに追い出されて負けてしまうことも多々あります。角のないメスがやられっぱなしというわけではありません。

◆メス同士の喧嘩
メスとメスの喧嘩もあります。エサ場の縄張り争いです。メスは角がないので、頭をぶつけて喧嘩をします。むしろ、頭をぐりぐりしていて、音もガシガシと鳴るので痛々しいです。喧嘩で死んでしまうことはありませんが、メス同士はなかなか喧嘩の決着がつかないので、長時間になることがあります。

エサのゼリーをお互いに仲良く?食べて、喧嘩して、また小休止(ゼリーをお互いに仲良く?食べて)して、喧嘩して、を繰り返します。これが決着がつくまで続きます。

なお、産卵場所をめぐっての喧嘩はありません。地中で出くわしても戦いになることはありません。

◆番外編1:幼虫の多頭飼育(特に喧嘩しない)
カブトムシの幼虫同士は地中で出会って喧嘩をすることはありません。クワガタの幼虫はよく噛み殺してしまうということで単独飼育をおススメしています。実際にオオクワガタの幼虫を多頭飼育していますが、そんなことになったことはありません(たまたまなのかもしれません)。

カブトムシの幼虫は成虫に比べて、かなり温厚でして、密度が狭くて地中で出会ってしまっても喧嘩に発展することがありません。

カブトムシの幼虫は野生では落ち葉などの堆肥の中で育ちますし、そこは自然といえども限られた場所ですので、割と多くの幼虫が密集して活動しています。よくカブトムシの幼虫を捕る動画がありますが、なかなか見つからないので、ひとたび見つかりますと多くの幼虫が出てきます。喧嘩していたら、限られた場所で沢山の幼虫が見つかりません。

◆番外編2:幼虫は他の幼虫(蛹)の蛹室を壊すことはない
カブトムシの幼虫を密集して飼育していても幼虫が他の幼虫(蛹)の蛹室を壊してしまうことはありません。カブトムシの幼虫は蛹室をよけてマットを掘り進んでいると考えられます。

夏になってマットを掘り返して成虫を取り出すときに蛹室が壊れていて死んでしまっていたというのはないはずです。蛹が死んでしまっているのは羽化不全だけです。

カブトムシの幼虫が何らかの理由で蛹室を作ることができない場合は、マットの上(地上)で蛹になります。ただし、緊急手段ですし、蛹になってからは命の危機が訪れます。

カブトムシの幼虫が地中で蛹室を作れない原因は、幼虫が密集しずぎて場所がない、マットが乾燥しずぎているからの2つです。幼虫は糞だらけでも何とか蛹室を作って蛹になります。

カブトムシの幼虫がマットの上で蛹になってしまった場合には、蛹が茶色く(外皮が固まる)なってから人工蛹室に入れてあげます。

カブトムシの蛹を人工蛹室に入れないと、マットにいる細菌に侵されて外皮が腐って死んでしまますので救助しましょう。

◆番外編3:羽化後の2~3日は喧嘩しない
カブトムシの成虫が羽化しますと、2~3日はエサを食べません。地中に潜ってじっとしています。この期間だけは静かです。

『嵐の前の静けさ』っていうやつです。



※最後に
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