私はマンション住まいですので、熱帯魚やミシシッピニオイガメを覗いて、基本的にベランダを使用して飼育しております。ベランダとという限られた空間ですし、お隣様含めて、一つのマンションに沢山の人が棲んでいる、いわゆる共同体ですので、一番は迷惑をかけないように飼育をしないといけません。

屋内で飼育することもできますが、ベランダというスペースを利用して飼育したい方もいるかと思います。ベランダで飼育する際の注意点は何なのでしょうか。

ベランダ(=バルコニー)※とお考えください。

※ベランダとバルコニーの違い
 ベランダとバルコニーは共に2階以上の家の外に張り出したスペースですが、ベランダは雨をしのげる屋根があり、バルコニーには屋根がありません。
 ルーフバルコニーは屋上をバスコニーにしたスペース、テラスは、1階部分を部分のバルコニーです。


そもそもベランダで生き物を飼育していいのか?
❖ベランダは共用部分
一番のポイントは、何といってもベランダが「共用部分」であることです。「共用部分」は「みんなのもの」であり、「個人所有のもの」ではありません。

したがって、本来であれば私物を置いたりしてはいけないスペースであるのです。

ただし、ベランダは居住者が「専用使用権」を持っています。

専用使用権とは、マンションの専用庭、バルコニー、ルーフバルコニー、駐車場など、敷地や建物の共用部分の一部について、特定の区分所有者のみが使用できる権利をいいます。

特にベランダは避難経路として使われるため、避難ができないような物の設置をしたり改造したりできない場所でもあります。災害時や犯罪発生などのいざという場合にマンション内に住む全員の人命に関わるからです。

他にも建築物などの重量によって、バルコニーに破損が起こったり、落下する危険が考えらたり、バルコニー部分の改築によって建物全体の美観が損なわれる可能性があるというものです。

ただし鉢植えやプランターに関しては、一般的に認められているケースが多いです。マンションに管理規約の使用細則があれば詳細に定められています(使用細則自体がない場合もあります)。

❖管理規約
二番目のポイントは、マンションごとにある「管理規約」でペットを飼育していいか、わるいのかが取り決められています。

ペット飼育を禁止にしているマンションもあれば、飼育を可能にしているマンションもあります。飼育を可能にしていても、届け出を出さないといけないマンションもあります。

ペット禁止にしているマンションがある理由ですが、イヌやネコに毛のアレルギーに悩まされる方がペット禁止のマンションを選んでいるのが多いそうです。他にも臭いや鳴き声に悩まされる。景観が損なわれるなどの理由があります。ただし、管理規約は居住者の大多数の賛成があれば変更でき、飼育可になる場合もあります(なかなか大変です)。

ただ、イヌやネコ、爬虫類や鳥類などに関しては、管理規約にしっかり規定されていますが、メダカや金魚などの小動物、カブトムシやクワガタなど昆虫などは書いていないとか、「その他、小動物や昆虫に関しては、他の移住者の立場を尊重して飼い主の責任のおいて適正に飼うこと。」みたいな書き方をされていることもあります。

実態としては、暗黙の了解といいますか、容認といいますか、植木鉢やプランターなどをベランダに置いて育てている、通路をふさがない程度に物置などを置いているという現実解としてあります。メダカや金魚、カブトムシやクワガタに関してもそのような事が言えます。

❖飼育する際の注意点(両隣に対して)
❖鳴く虫(鈴虫、コオロギ)は境界線
 鈴虫、コオロギなどの鳴く虫を飼育する場合がありますが、できれば鳴かない虫である方がいいです。飼い主は鈴虫やコオロギなどが鳴いても「風情があっていい。」という気持ちになりますが、その鳴き声自体、騒音と捉える方もおりますので注意が必要です。

❖鳴かない虫(カブトムシ、クワガタムシ)でも虫が湧く
 鳴かない虫ならいいのか?といいますと、例えば、カブトムシやクワガタムシなどがいいかといいますと、カブトムシやクワガタムシはコバエ、ダニなどが発生します。特に大量発生した場合は、両隣との境界は「蹴破り戸」ですので、隙間がありますので、そこから両隣に行ってしまい、迷惑をかけることになります。虫が完全に湧かせないといったことが難しいですので、できるだけ虫が湧かないように、ダニ防止のマットやコバエ退治の捕虫器などで、大発生しないようにします

❖脱走する
 カブトムシ、クワガタムシや、ドジョウやカメなどは「いわゆる脱走が得意な生き物」がいます。蓋がしまっていないなどで脱走した場合は、両隣の境界は「蹴破り戸」ですので、下に隙間があります。そこを通ってしまい、両隣に逃げ込んでしまう場合もあります。脱走しても逃げ込まないように、柵を設けるとか、柵でなくても、例えばレンガを並べて通れなくしてしまい、両隣に逃げ込むことがないような対策が必要です。

❖ろ過機やエアーポンプなど音のするものは使用しない
 ろ過機やエアーポンプを設置する方もいるかと思います。屋外に設置すると感電、発火、漏電の原因にもなりますが、対策を講じたり、屋外用を使用するにしても、水中でモーターが稼働して、結果的に消音するタイプをオススメします。マンションでのトラブルの一番は「騒音」です。モーターが常時響いている状態は避けたいところです。

❖夜に作業しない
 夜に水替えや植え替えの作業をするのは避けましょう。生き物をお世話するのは、日中に行いましょう。祝休日は家族そろって団欒されているかもしれませんので、本来は学校や会社に行って留守になっている平日がいいかと思いますが、こればかりは難しいですね。

❖蚊
 水場には蚊がきます。蚊は水場がないと産卵できないからです。蚊の産卵場所は水面でして、1回に多い時は200個程度の卵を産卵します。卵の期間は5日程度でして、孵化してボウフラという幼虫が産まれます。ボウフラの期間は7日程度で蛹になり、蛹は3日程度で羽化して成虫になります。合計15日程度で成虫になるということです。

 メダカなどの魚は蚊の卵やボウフラを食べてくれますので、蚊が増えることはありませんが、ミナミヌマエビだけとか、タニシだけとか、水生植物だけを育てている容器では天敵がおりませんので、繁殖してしまいます。水をいれている容器には必ず魚を飼育するようにしましょう。

飼育する際の注意点
❖鳥が飛来する
 鳥が飛来する場合は、飼育している生き物が食べられてしまいます。生き物を保護する網などを使用して守るケースもあるかと思いますが、これはベランダに人間がよく出ることによって、鳥が警戒して飛来しなくなりますので、観察やお世話でベランダに出ることによって防止できます。

❖ヤゴ(=トンボ)
 マンションの場合は、トンボが飛来するケースはほとんどないと思いますが、低い階の場合は稀にあります。ヤゴはメダカやミナミヌマエビなどの小さな水棲生物を捕食しますので、産卵されないようにしましょう。これも網などをかけて防ぐより、人間が頻繁にベランダに出ることによって、トンボが寄り付かないようにします。

❖日当たり
 ベランダの方角によって日照時間は限られてきます。午前中だけ日が当たる場所がベスト(東向き)ですが、そうもいけないと思います。ベランダの方角が南西の場合は、夏の強い日光を避ける工夫が必要です。

 メダカや金魚などの水棲生物の場合は、容器が重いので置き場を変えることが難しいと思いますので、強い日光を避ける簾などを用意して温度が上がらないようにします。

 カブトムシやクワガタムシなどの虫などは、飼育ケースを運べる重さですので、強い日光が当らない場所に移動します。

 逆に冬は温度が低下しない場所が望ましいです。メダカや金魚などの水棲生物は日光が当たって温度が0℃以下になり容器の水が凍らないようにします。

 カブトムシやクワガタムシなどの虫は、そのままでいいと思います。

さいごに

マンションはいろいろな方が住んでいる共同体ですので、隣近所に迷惑をかけないようにしたいです。必ず顔を合わせますし、挨拶もするでしょう。いざこざがありますと、顔をあわせずらくなりますし、下手をしますと喧嘩になってしまいます。また、管理組合にかけこまれてペット飼育に対する警告、そして退去勧告になってしまうなんてことにもなりかねません。

本来、ベランダ飼育は、自分自身が生き物に癒されたり、飼育自体を楽しんだりするものですので、ここにストレスをかけてはいけません。




※最後に
 ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。

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