ミナミヌマエビを飼っていますと、体色を変化させる面白いヌマエビであることがわかります。

ただし、体色を変化させるミナミヌマエビは、10匹いたら10匹とも変化させるかというとそうではありません。個体差によるものが大きく、ほとんどのミナミヌマエビは、原色である透明な体色であります。

なぜ、このように体色を変化させるのか?となりますが、一般的には環境の変化、水質や水温の変化が関係しているのでは?という話もありますが、飼っているすべてのミナミヌマエビが体色を一斉に変化させるわけではありませんので、そうではないことがわかります。

また、周囲の環境にあわせて擬態しているのでは?という話もありますが、そうなりますと基本的に水草が多ければ体色は緑、赤玉土があるのであれば、赤茶っぽい体色になるはずですが、そうではありません(後述しますが赤や黒などです)ので、これも違うと言えるでしょう。

次に食べ物ですが、ザリガニにサバだけを与え続けると青くなるというのは有名な話です。アジやサバは赤色の元となるカロチノイドを含んでいないからです。

従いまして、アジやサバを与え続けると、赤色の色素となる原料をザリガニが取り込まないため、もともとの体液である青色が目立ち始めて、最後には体色が青くなります。人工飼料でも同じ効果が得られる物があります。

ミナミヌマエビもザリガニと同じ甲殻類である為、食べ物による体色の変化が大いに考えられます。

他には突然変異により、体色の違うミナミヌマエビが一定数が生まれて、それが次世代に引き継がれていくというものです。

ミナミヌマエビは、いろんな体色が楽しめる面白いエビなのですが、このような体色の変化には何か意味があるのでしょうか?まとめてみました。

【赤】・・・死んでしまった

ミナミヌマエビ赤く死んだ
上記で擬態がどうのとか、食べ物でなるとか、書いておりましたが、いきなり死んでしまった場合の「赤」になります。

このような状態のミナミヌマエビは、ほとんどの方が見られているのではないでしょうか。

ミナミヌマエビは死ぬと赤く茹であがった状態になります。ミナミヌマエビの体内の物質であるアスタキサンチンが赤くなるからです。
アスタキサンチンは、サケやエビ、カニなどに多く含まれている赤色の天然色素(カロテノイド)の一種です。
エビの殻にはアスタキサンチンという赤い色素が含まれており、元々はたんぱく質と結合していてアスタキサンチン本来の赤い色が見えない状態ですが、調理などしますと、加熱することで熱に弱いたんぱく質が壊れてアスタキサンチンから離れて、赤く見えるようになるのです。

死んでしまったミナミヌマエビは、腐敗がすすむ過程で熱を持ち、熱に弱いたんぱく質が壊れてアスタキサンチンから離れて赤くなるのです。

ミナミヌマエビが白濁(白く)して死んでしまう姿を見たことがあるかと思いますが、体調に変調をきたして死んだ直後であり、そのうちに赤くなっていきます。

【赤】・・・突然変異

ミナミヌマエビ赤色
赤いミナミヌマエビです。よく瀕死だからと言われていますが、そうではありません。突然変異や境適合です。個体差もありますし、この原因はわかっておりません。

せっかく体色が赤くなったことですし、累代飼育にチャレンジして、次世代に赤いミナミヌマエビを増やしていくのも面白いと思います。

ミナミヌマエビと近縁種である「チェリーレッドシュリンプ」もおります。台湾原産のミナミヌマエビと近縁なヌマエビ「チェリーシュリンプ」のカラーバリエーションのヌマエビです。

ミナミヌマエビを近縁種なので、屋外でも飼育可能で繁殖させることができます。



【茶】・・・突然変異

ミナミヌマエビ茶色
茶色いミナミヌマエビです。突然変異や境適合です。個体差もありますし、この原因はわかっておりません。

ミナミヌマエビの背中に白い帯が入るのはメスの老固体が多いと言われていますが、定かではありません。ただし、とても大きな個体がこのような体色に変化することが多いです。



※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。