今シーズンのメダカの稚魚が孵化しました。命をつないでいくために大事に育てたいと思いますが、メダカは卵を産み続けてしまいます。「もう産卵ストップ!」というわけには行かず、卵を水草に産み付けても、飼育スペースは限界があり全部育てられないというジレンマに苛まれます。

基本的にはホテイ草の根に産み付けた卵しか孵化させないことにしています。マツモにも結構な量の卵がついているのですが、ホテイ草の根に付いている卵を隔離する方が簡単なこと、ホテイ草の方に大量に卵を産み付けているので一気卵を隔離できることだからです。

そして隔離容器に置いたメダカの卵をしばらく放置しておきますとメダカの稚魚が孵化します。

よくメダカは放置しておくと勝手に育っていくといった「放置飼育」をしたい人向けに、そのような都合のよいことを書いている記事を見ます。

あながち間違いではありませんが、人間が飼育容器内で育てるメダカの個体数は多く密集していますので、屋外飼育ではエサなしでは飼育容器の規模にあわせた個体数が生き残ります。これはプランクトンや微生物が自然発生してくれるわけでありますが、その数は知れていますので、飼育しているメダカの食欲を満たしてくる量は発生しないからです。屋内飼育では、微生物やプランクトンは発生はごくわずかですので餓死してしまいます。

メダカの稚魚にはエサをあげない限り、稚魚は生き残りません。自然(放置)に任せていると徐々に減っていき、飼育容器にあわせた数の親メダカの数になりますが、個体数の減少は産卵の機会を減らしますので、その翌年にはメダカを産卵する機会は激減、あるいはなくなり全滅となります。自然(放置)での飼育は長くても2年程度で終わりをつげます。

メダカの稚魚を死なせてしまう一番の理由は餓死です。次に越冬です。累代飼育を行ってずっと毎年メダカを育てたい場合は自然(放置)飼育をしてはいけません。しっかり大事に育てましょう。

生まれたばかりのメダカの稚魚はヨークサックをつけており、2~3日程度はエサを食べなくても餓死はしません。

ヨークサック(卵嚢)とは、孵化したばかりの稚魚が自分でエサを捕獲できる様になるまでの成長を助けるための栄養分が入った袋といった感じのものです。

このヨークサックがなくなったら、エサをあげましょう。ヨークサックがなくなったかどうかは肉眼ではわかりずらいので、メダカの稚魚が孵化してから3日後にはエサをあげるようにします。

隔離容器には、その時には孵化していない卵もあると思いますが、卵があって稚魚にエサをあげてかまいません。エサをあげると水はどうしても汚れますが、少しの汚れは孵化には影響がありませんので、気にせずにメダカの稚魚にエサをあげてください。

メダカの稚魚を育てていると徐々に個体ごとに成長速度の違いを見せます。同じ時期に生まれたのに一方は親メダカのように大きく、一方はまだまだ子供メダカというような違いになります。不思議ですね。

これは個体ごとに、エサをたくさん食べて大きくなるか、エサをあまり食べず、なかなか大きくならないと言った違いなのです。人間と一緒ですね。小学校や中学校、そして高校と一番小さい人と大きい人は同学年でも随分と違いがあったと思います。メダカも同じです。

大きいメダカが小さいメダカを追いかけ回したり、さらにメダカは口に入るものなら、自分の卵も子供メダカも食べてしまいますので、そのままにしておいて良いことはありません。この場合は親メダカの飼育容器に入れてしまいましょう。隔離容器からの卒業です。
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※最後に
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