「線状降水帯」とは、次々と発生した積乱雲が列をなして停滞し、同じ地域に強い雨を長い時間降らせる現象だそうでして、細長い線のように延びた雨雲が連なっていて、長さは50kmから300km程度、幅は20kmから50km程度とされます。強い雨を長い時間降らせ、河川の氾濫や土砂災害を引き起こすこともあるそうです。
そして屋外でメダカや金魚の飼育をしている飼育者にとっては、この大雨は大変やっかいな気象現象であります。
屋外という言葉に通り、飼育容器が外にありますので、いわゆる「吹きっ曝し(ふきっさらし)」状態です。ひとたび大雨が降りますと、飼育容器に水が降り注ぎ満杯になるわけでして、これを回避しなくてはいけません。
飼育容器が水が満杯になりますと、その中にいる生き物が飛び出してしまうことがあります。
メダカや金魚は大雨が降ると水底でじっとしていることが多いので少ないのですが、特にドジョウやフナなんかは飛び出しが多いです。また、水底にいけないメダカの稚魚なんかも水とともに流れ出てしまうことがあります。
そのまま「線状降水帯」が過ぎるのをじっと待っているわけにはいきません。とにかく水が満杯になるのを防がなくてはいけません。
外は大雨が降っているので、カッパでも着ない限りは、自分は濡れてしまいますが、生き物たちは生命の危機ですので、人間の飼育者が何とかしてあげなくてはいけません。
まずは、飼育容器が屋内か屋根があり、横殴りの雨が入ってこない場所に移動できるかです。移動できる重さや飼育容器の数であれば移動します。水や用土、水草や生き物の入った飼育容器はとても重いのですが、持てるのではあれば、ありったけの力を振り絞って持ち運びましょう。
飼育容器を移動できない重さである、飼育容器の数が多いのであれば、思い切って水の量を減らします。ビニールホースがあれば「サイフォンの原理(※1)」を使用して飼育容器から水を抜きます。
※1ビニールホースの中に水を満たして、片方の端を水槽の中に、もう片方を外側の低い位置にして指を離します。 ビニールホースを通して中の水が流出し始めます。
飼育容器からどれくらい水を抜くのかが正直難しいですが、水を抜きすぎて飼育容器の中の生き物が死なないようにします。抜く水の量は、これからどれくらいの雨が降るのかを想像しないといけません。水を抜いても夜中に大量の雨が降って水が溢れ出すかもしれませんし、逆にあまり雨に降らずに、翌日に晴天になり、生き物が水が少なくて死んでしまうリスクはあります。
またホースを使用しますので、金魚やフナなどの大きな生き物がいる飼育容器や、小さな生き物がいても、小さな生き物が吸い込まれて外に流れないような場所で行うことで、小さな生き物が流れ出てしまわないようにします。
次に布切れを使用して同じく「サイフォンの原理」と「毛細管現象(※2)」で水が満杯になるの防ぐことができます。
飼育容器に布をかけて片方が飼育容器の水の中に、片方が飼育容器の外にすれば、飼育容器の中の水が吸い上げられて外に抜けていきますので、水が満杯になるのを防ぐことができます。特にメダカの稚魚のように水底に避難できない生き物には有効な手段です。
屋外の生き物に被害がないようにしたいですね。「線状降水帯」が抜けてくれるまで心配な夜が続きます。この記事を書いていても、雨が気になってしまい屋外に状況を見に行っていしまっています。
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