※2022.07.31更新(アクセス数が多いので記事を全体的に見直し)
※2022.08.11更新(ハッシュタグ対応)
❖2022.07.26の記事です。公開し忘れてました。
今日は朝から大雨でした。久しぶりのメインオフィス出社でしたので、マンションから傘を差して駅に向かったのですが駅までは小雨でした。電車に乗って会社のある駅で降りて階段を登って外に出たところ、かなりの雨が降っておりました。
それでも傘をさせば問題ないレベルでしたが、会社までは歩いて12分ぐらいかかります。5分ぐらい歩いていくと雨が滝のように降ってきました。傘を差していても横から前から後ろからと降ってくる感じで、服やバッグが会社に着くころにはビショビショに濡れてしまいました。
そんな関東とは裏腹に「東北北部の梅雨明け」のニュースが流れてきました。これで梅雨のない北海道を除く日本列島すべての梅雨が明けたことになります。
いよいよ夏本番となるのでしょうか。ベランダから見える空は真っ黒な雲で覆われていますので「本当に明けるの?」といったところが正直なところです。
夏でひとたび太陽が出れば、一気に猛暑となることは温暖化と言われている昨今では確実であります。
猛暑日ともなれば水温が30℃を超えて36℃程度まで上昇するものと思われます。
人間にとって猛暑日ともなれば、クーラーなしでは熱中症で倒れてしまうような気温ですが、メダカにとっては元気に生きていけるギリギリの水温であります。
もちろん、繁茂している水草や岩、流木などのオーナメント、そして建物の陰、水温上昇対策で簾などの日蔭があるので、メダカたちは日中は日陰に隠れて静かに過ごしています。時には太陽を浴びて元気に泳ぎます。
メダカは猛暑日の日中を静かに過ごして無事にやり過ごしますが、実は猛暑日の日中は「序章」でしかありません。
❖メダカにとって日中より夜間が危険な時間帯
本当の恐怖は、太陽が地平線から消えた夜なのです。
まずは、水生植物の「光合成」と「呼吸」の話をします。
したがいまして水生植物は光が当たっている昼間は「呼吸」と「光合成」のどちらも行っています。
日中は水中に溶け込んでいる酸素、いわゆる溶存酸素量(※1)は水生植物によって増えていきます。
※1溶存酸素量とは、大気中から水に溶け込んでいる酸素(O2) の量のことです。 水中の生物も人間と同じように酸素を必要としているので、溶存酸素量が減少すると、水中の好気性微生物の活動が鈍って腐敗臭がするなど河川や海域の自然浄化作用が働かなくなります。
逆に夜間は光を受けていませんので「光合成」は行わずに、呼吸だけを行っているので酸素を取り入れ二酸化炭素を出しているのです。
夜間は水中に溶け込んでいる酸素、いわゆる溶存酸素量は水生植物によって減っていくのです。
また、水中にいる植物バクテリアの「光合成」も行わなくなります。水性植物と同様に夜間は酸素を取り込むようになるのです。
そして、水中の酸素不足であるためにメダカたちは酸素不足により水面に浮いて酸素を取り込もうとします。水面で口をパクパクする行動です。これを「鼻上げ」と言います。
空気と水面の間は、水中より酸素がありますので、パクパクして酸素を取り込もうとするのです。
水面の酸素をうまく取り込めないような体調不良となっている場合は残念ながらメダカは死んでしまいます。朝起きるとメダカが死んでいるのは、そのためです。
他にも夜間は微生物によるアンモニアの分解や亜硝酸の分解が鈍くなります。夜間は微生物の活動が停止状態になりますのでメダカには猛毒なアンモニアや亜硝酸の分解が進まずに猛毒にさらされることになります。
そこに熱帯夜(夕方から朝までの最低気温が25℃以上)で水温が下がらないとなれば、人間と同じように体力は徐々に奪われていきます。
熱帯夜ともなれば、通常の夜におきる酸素不足、猛毒の汚染に加えて、高水温の3重苦に陥るのです。
❖危険な夜を何とか回避するには
何とか熱帯夜を含めた夜のリスクを回避する方法はないのでしょうか?
これに対応するのは、まずは水生植物を間引きして適度に少なくすることです。特に浮遊性植物(※2)を育てている場合は、水面を覆わないように、かなり多くの浮遊性植物を間引きすることです。浮遊性植物は猛暑日の日中は日陰になってくれて役に立つのですが、夜は水面を覆ってしまい、水面で呼吸するメダカの邪魔になるのです。そして、夜間の水生植物の「呼吸」により水中の少ない酸素がとられるのを抑えることができます。
※2根が水底に固着せずに水中や水面を浮遊している植物。 水生植物の一形態。 根を水底に張らずに必要な栄養塩類を水中から吸収するため、富栄養な水域で繁茂する。
飼育容器で飼育する個体数を減らすのも有効です。夜間は少ない酸素の取り合いになりますので、個体数が少なければ酸素がいきわたるというものです。ただし。個体数を減らした分、飼育容器が増えますので、設置場所が限られている家では現実的でない感じがします。設置場所に余裕があるのであれば検討してください。
設置場所を風通しのよい涼しい場所にすることは有効です。風が水面にあたることにより、気化熱(※3)を利用して水温を下げるのです。水温が低くなることで高温による疲弊がなくなりますので、これだけでもかなり有効な手段です。ただし、水の入った容器を動かすのは至難の業ですので、飼育容器の立ち上げ時や春先の全水替え時に考慮して設置するのが望ましいです。
※3液体が気体になる、つまり気化(蒸発)するときに水から吸収する熱のこと。
広い飼育容器で飼うことも有効です。水面が広ければ広いほど、水面で口パクパクの鼻上げ状態になっても、(浮遊性などの)水生植物に邪魔になることなく酸素を取り込むことができます。
❖やってはいけない事
やってはいけないのは、水を交換したり氷を入れたりして、水温を下げることです。水温変化に耐えられずに死んでしまうことがありますし、水を交換したり氷を入れたところで結局、高価は限定的ですよね。
❖さいごに
昭和の時代は「冬をどう越すのか?」がメダカ飼育の焦点でしたが、令和の現在は「夏をどう越すのか?」が焦点になっており、温暖化とはいえ、屋外での夏の飼育は難しい感じがします。
※2022.08.11更新(ハッシュタグ対応)
❖2022.07.26の記事です。公開し忘れてました。
今日は朝から大雨でした。久しぶりのメインオフィス出社でしたので、マンションから傘を差して駅に向かったのですが駅までは小雨でした。電車に乗って会社のある駅で降りて階段を登って外に出たところ、かなりの雨が降っておりました。
それでも傘をさせば問題ないレベルでしたが、会社までは歩いて12分ぐらいかかります。5分ぐらい歩いていくと雨が滝のように降ってきました。傘を差していても横から前から後ろからと降ってくる感じで、服やバッグが会社に着くころにはビショビショに濡れてしまいました。
そんな関東とは裏腹に「東北北部の梅雨明け」のニュースが流れてきました。これで梅雨のない北海道を除く日本列島すべての梅雨が明けたことになります。
いよいよ夏本番となるのでしょうか。ベランダから見える空は真っ黒な雲で覆われていますので「本当に明けるの?」といったところが正直なところです。
夏でひとたび太陽が出れば、一気に猛暑となることは温暖化と言われている昨今では確実であります。
猛暑日ともなれば水温が30℃を超えて36℃程度まで上昇するものと思われます。
人間にとって猛暑日ともなれば、クーラーなしでは熱中症で倒れてしまうような気温ですが、メダカにとっては元気に生きていけるギリギリの水温であります。
もちろん、繁茂している水草や岩、流木などのオーナメント、そして建物の陰、水温上昇対策で簾などの日蔭があるので、メダカたちは日中は日陰に隠れて静かに過ごしています。時には太陽を浴びて元気に泳ぎます。
メダカは猛暑日の日中を静かに過ごして無事にやり過ごしますが、実は猛暑日の日中は「序章」でしかありません。
❖メダカにとって日中より夜間が危険な時間帯
本当の恐怖は、太陽が地平線から消えた夜なのです。
まずは、水生植物の「光合成」と「呼吸」の話をします。
水生植物は人間などの動物と同じように「呼吸」をして酸素を吸い二酸化炭素を出しています。また「光合成」という二酸化炭素を取り入れて酸素を出すはたらきもしています。
水生植物による「呼吸」は昼も夜もずっと行われます。水生植物は生きているからです。
なお「光合成」は光を受けたときだけ行います。
水生植物による「呼吸」は昼も夜もずっと行われます。水生植物は生きているからです。
なお「光合成」は光を受けたときだけ行います。
したがいまして水生植物は光が当たっている昼間は「呼吸」と「光合成」のどちらも行っています。
水生植物が十分に光を受けているときは「呼吸」によって取り入れられる酸素・出される二酸化炭素の量よりも「光合成」によって取り入れられる二酸化炭素・つくり出される酸素の量のほうが多くなります。
日中は水中に溶け込んでいる酸素、いわゆる溶存酸素量(※1)は水生植物によって増えていきます。
※1溶存酸素量とは、大気中から水に溶け込んでいる酸素(O2) の量のことです。 水中の生物も人間と同じように酸素を必要としているので、溶存酸素量が減少すると、水中の好気性微生物の活動が鈍って腐敗臭がするなど河川や海域の自然浄化作用が働かなくなります。
逆に夜間は光を受けていませんので「光合成」は行わずに、呼吸だけを行っているので酸素を取り入れ二酸化炭素を出しているのです。
夜間は水中に溶け込んでいる酸素、いわゆる溶存酸素量は水生植物によって減っていくのです。
また、水中にいる植物バクテリアの「光合成」も行わなくなります。水性植物と同様に夜間は酸素を取り込むようになるのです。
そして、水中の酸素不足であるためにメダカたちは酸素不足により水面に浮いて酸素を取り込もうとします。水面で口をパクパクする行動です。これを「鼻上げ」と言います。
空気と水面の間は、水中より酸素がありますので、パクパクして酸素を取り込もうとするのです。
水面の酸素をうまく取り込めないような体調不良となっている場合は残念ながらメダカは死んでしまいます。朝起きるとメダカが死んでいるのは、そのためです。
他にも夜間は微生物によるアンモニアの分解や亜硝酸の分解が鈍くなります。夜間は微生物の活動が停止状態になりますのでメダカには猛毒なアンモニアや亜硝酸の分解が進まずに猛毒にさらされることになります。
そこに熱帯夜(夕方から朝までの最低気温が25℃以上)で水温が下がらないとなれば、人間と同じように体力は徐々に奪われていきます。
熱帯夜ともなれば、通常の夜におきる酸素不足、猛毒の汚染に加えて、高水温の3重苦に陥るのです。
❖危険な夜を何とか回避するには
何とか熱帯夜を含めた夜のリスクを回避する方法はないのでしょうか?
これに対応するのは、まずは水生植物を間引きして適度に少なくすることです。特に浮遊性植物(※2)を育てている場合は、水面を覆わないように、かなり多くの浮遊性植物を間引きすることです。浮遊性植物は猛暑日の日中は日陰になってくれて役に立つのですが、夜は水面を覆ってしまい、水面で呼吸するメダカの邪魔になるのです。そして、夜間の水生植物の「呼吸」により水中の少ない酸素がとられるのを抑えることができます。
※2根が水底に固着せずに水中や水面を浮遊している植物。 水生植物の一形態。 根を水底に張らずに必要な栄養塩類を水中から吸収するため、富栄養な水域で繁茂する。
飼育容器で飼育する個体数を減らすのも有効です。夜間は少ない酸素の取り合いになりますので、個体数が少なければ酸素がいきわたるというものです。ただし。個体数を減らした分、飼育容器が増えますので、設置場所が限られている家では現実的でない感じがします。設置場所に余裕があるのであれば検討してください。
設置場所を風通しのよい涼しい場所にすることは有効です。風が水面にあたることにより、気化熱(※3)を利用して水温を下げるのです。水温が低くなることで高温による疲弊がなくなりますので、これだけでもかなり有効な手段です。ただし、水の入った容器を動かすのは至難の業ですので、飼育容器の立ち上げ時や春先の全水替え時に考慮して設置するのが望ましいです。
※3液体が気体になる、つまり気化(蒸発)するときに水から吸収する熱のこと。
広い飼育容器で飼うことも有効です。水面が広ければ広いほど、水面で口パクパクの鼻上げ状態になっても、(浮遊性などの)水生植物に邪魔になることなく酸素を取り込むことができます。
❖やってはいけない事
やってはいけないのは、水を交換したり氷を入れたりして、水温を下げることです。水温変化に耐えられずに死んでしまうことがありますし、水を交換したり氷を入れたところで結局、高価は限定的ですよね。
❖さいごに
昭和の時代は「冬をどう越すのか?」がメダカ飼育の焦点でしたが、令和の現在は「夏をどう越すのか?」が焦点になっており、温暖化とはいえ、屋外での夏の飼育は難しい感じがします。
※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。